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Influenza座談会

これからのSARS-CoV-2とインフルエンザ戦略

森内浩幸忽那賢志菅谷憲夫

インフルエンザ Vol.22 No.2, 7-13, 2021

菅谷(司会) 日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者数はすでに42万人を数え,死者数も7,000人を超えました(2021年2月時点).欧米諸国と比較すると少なく思えますが,アジア諸国の人口で補正した死亡をみると,日本はインドネシアに次いで2番目に多くなっています.
日本でも2月下旬からワクチンの接種が始まりますが,今後この感染症はどのように推移していくと思われますか.
森内 SARSもそうでしたが,理由はよくわからないものの,新興のコロナウイルス感染症は子どもでは重症化はまれです.そしてSARSやMERSのように,主に重症化した人から他の人に伝播していくウイルスは水際対策や封じ込めが有効なのですが,SARS-CoV-2は,無症候の人からも感染します.エボラウイルスのように,誰がかかっても重症化するわけではなく,死亡率もそれほど高くないことも合わせて考えると,将来的にはいわゆる“かぜ”のコロナウイルスの5つ目として定着するのだろうと考えています.
菅谷 なるほど.忽那先生はいかがですか.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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