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巻頭言

集団免疫について理解を深めよう

西浦博

インフルエンザ Vol.22 No.2, 5-6, 2021

本稿の機会をいただいたので集団免疫の概念について詳説する.実は,集団免疫は感染症疫学に特異的な疫学的コンセプトであり,他の分野ではみられないものである.予防接種を実施したり,あるいは,自然感染で免疫を得た者の比率が人口内で高くなると,「集団そのものが感染から防がれる」というものである.これは高い接種率を達成して予防接種政策を展開する最も重要なよりどころであるといっても過言ではない.歴史的には,スイス人医師のTheophil Lotzが天然痘の予防接種について1880年に人口レベルの有効性を記述するために概念の説明が始まったとされる1).しかし,簡単に集団免疫について社会が言及できる機会が増えたものの,その技術的詳細や落とし穴は恐ろしいほど理解されていない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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