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巻頭言

インフルエンザ・サーベイランスの観点から,この冬心配されること

渡邉真治

インフルエンザ Vol.21 No.3, 5-6, 2020

今,2020年の6月である.世界保健機関(WHO)は,2020年3月11日,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるCOVID-19のパンデミックを宣言した.その約2週間前,私はWHO本部(ジュネーブ)で行われた2020/2021シーズン北半球用インフルエンザワクチン推奨株選定会議に出席していた.その時点でイタリアでの感染者は増加傾向にあったが世界的にはまだほとんど拡がっておらず,そのため当然ジュネーブでマスクをしている人もほぼおらず(当時スイスでの感染者は0人),むしろ東洋人(私)がマスクをしていると攻撃対象となるのではないかと冷や冷やしてマスクはしていなかった(苦笑).「パンデミック」というと,自身が「インフルエンザ」を専門としているから,ということではないと思うが,「インフルエンザ」という印象をもっておられる方が多いのではないかと思う.すでに11年前にはなるがインフルエンザのパンデミックを経験しているし,また2003年以降の高病原性H5亜型鳥インフルエンザウイルスや2013年以降の中国でのH7N9亜型鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染報告が多数あるからである.しかし,「コロナウイルス」によるパンデミックとなった.パンデミック宣言以降,今日までに起こったことはご存知の通りである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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