小児を対象としたバロキサビル マルボキシル(以下バロキサビル)の臨床試験では,バロキサビル投与例のうち20%を超える患者で,投与後にPA サブユニットのアミノ酸に変異(I38X)がみられる薬剤低感受性ウイルスが検出され,上市後も同様の報告がみられる.変異ウイルス非検出例と変異ウイルス検出例とを比較すると,内服後の有熱期間に有意差はないが,変異ウイルス検出例では臨床症状が改善するまでに長時間要することが報告されている.さらに,少ないながらも変異ウイルスが他者へ伝播した例も報告されている.バロキサビルが本格的に投与されてからまだ間もなく,データは十分とはいえないため,今後もデータを蓄積する必要がある.
「KEY WORDS」インフルエンザ,バロキサビル マルボキシル,変異,小児
「KEY WORDS」インフルエンザ,バロキサビル マルボキシル,変異,小児