季節性インフルエンザの発症および重症化予防に,インフルエンザワクチンが世界中で使われている.しかしながら,インフルエンザウイルスは少しずつ抗原性を変えるため,ワクチンに含まれるウイルスと流行しているウイルスの抗原性が一致しなくなり,ワクチン効果が減弱する.そのため,予め流行すると思われる抗原性をもつウイルスを予測し,ワクチン株として利用できれば,有効性の高いワクチンを供給できる.本稿では,有効性の高いインフルエンザワクチン供給のための,インフルエンザウイルスの流行予測に関する取り組みを紹介する.
「KEY WORDS」抗原性変異,免疫回避ウイルス,情報科学,in silico構造解析,流行予測