季節性インフルエンザウイルスは,北および南半球の温帯地域およびそれより寒い地域ではそれぞれの冬季に大きく流行しますが,熱帯・亜熱帯地域では流行は大きくないものの1年を通して,あるいはその地域の冬季および(あるいは)雨季にウイルスの流行のピークが確認できます.このように,地球全体で考えるとインフルエンザウイルスは年間を通して途切れることなく検出されていますが,これまでに蓄積された大量のウイルス遺伝子と検出された日時とを考慮して解析すると,中国,インドあるいは東南アジア地域から新しく変異を獲得したウイルスが出現し,世界に広がっていることがわかってきました1)-3)
「KEY WORDS」季節性インフルエンザウイルス,ウイルス遺伝子解析,中国・インド・東南アジア地域