QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)
厚生労働省が毎年実施しているインフルエンザの抗体保有状況調査について教えてください.
掲載誌
インフルエンザ
Vol.16 No.2 26-27,
2015
著者名
佐藤弘
/
多屋 馨子
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
インフルエンザ
わが国におけるインフルエンザの抗体保有状況は,厚生労働省,国立感染症研究所,都道府県の協力のもと実施されている感染症流行予測調査におけるインフルエンザ感受性調査により把握されています.毎年,本格的な流行開始前でワクチン接種前の健常者から採血し,当該シーズンのインフルエンザワクチン株3株およびワクチン株と別系統のB型1株を調査株として,都道府県衛生研究所において赤血球凝集抑制試験による抗体価測定が行われています.図1にはA/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09に対する年齢群別抗体保有状況(抗体価1:40以上)の年別推移を示しました.このウイルスが初めて確認された2009年には多くの年齢群で10%未満(全体では8%)の低い抗体保有率でした.しかし,翌2010年(40%)には抗体保有率が大きく上昇し,とくに5~24歳の年齢群では40ポイント以上の上昇でした.これは,2009/2010シーズンの大流行で多くの者が感染し,抗体を保有したためと考えられます.このウイルスは次の2010/2011シーズンにも流行し,2011年(49%)にはさらに抗体保有率が上昇しました.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。