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治療(インフルエンザ)

ペラミビルによる治療

関雅文朝野和典

インフルエンザ Vol.12 No.3, 55-61, 2011

 これまでの抗インフルエンザ薬は1日2回服用・5日間投与が原則であった.しかし,2010年に上市された新規ノイラミニダーゼ阻害薬(NAIs):ペラミビル(peramivir;商品名ラピアクタ®)は,ノイラミニダーゼとの結合力が強く,結合を保持する時間も長いため,「単回」投与で十分な治療効果が得られる.また,複数回投与にてさらに重症の患者への効果も期待できる.
 ペラミビルは世界初の静注の抗インフルエンザ薬でもあり,今後の臨床の場での第一選択薬としての使用が期待される.

KEY WORDS
■ペラミビル ■ラピアクタ® ■新規抗インフルエンザ薬 ■長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害薬(LANIs) ■静注薬

はじめに

 2009年には新型インフルエンザウイルス,いわゆるパンデミック(H1N1)2009の出現が現実のものとなり,新たな抗インフルエンザ薬の開発の必要性がいよいよ急速に高まっていた1).
 もともと,わが国では特にオセルタミビル(タミフル®)をはじめとするノイラミニダーゼ阻害薬の消費量が多く,インフルエンザウイルスの,特にオセルタミビルに対する耐性化が懸念されており2),また,重症インフルエンザ患者には,投与後速やかに高い血中薬物濃度を得ることができる非経口薬の使用が望ましく,特に慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を有する患者,透析患者,妊婦などの重症化のリスクの高い患者や,高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染者が万が一発生した場合には,静注薬や局所への吸入薬を用いることによって,感染部位に十分量の薬物を到達させ,より効率のよい治療が可能とすることが期待されていた.
 こうした状況を背景に,非経口の抗インフルエンザウイルス薬として,わが国主導でペラミビル静注薬の開発が進められ,2010年1月に商品名ラピアクタ®として上市された(表1)1)3).

一方で,吸入薬としてCS-8958:ラニナミビル(商品名:イナビル®)も2010年10月に上市された.これらはともに長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害薬(LANIs)であり,1回の投与でインフルエンザに対して十分な効果を示す点が大きな特徴である1)4).
本稿では,1日1回投与が可能となった新規抗インフルエンザ薬として,特にペラミビルの使用に焦点を当てて概説する.

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