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特集 肺高血圧症の最新知見と新展開

臨床薬理学的に迫る肺高血圧症に対する血管拡張薬併用療法の現状と新たな展開

小田切圭一

血管医学 Vol.17 No.3, 55-60, 2016

「Summary」肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)において,特異的PAH 治療薬の単剤治療は生命予後を改善することが示され,欧米あるいは本邦において標準治療として位置づけられている.特異的PAH治療薬の単剤治療で効果不十分な症例では,特異的PAH治療薬の併用療法が行われており,単剤治療と比較して臨床的悪化の抑制,運動耐容能,自覚症状や血行動態の改善あるいは悪化抑制効果が示されている.一方,併用療法において頻用されるホスホジエステラーゼ5 阻害薬(シルデナフィル,タダラフィル)とエンドセリン受容体拮抗薬であるボセンタンには薬物相互作用があり,期待される併用療法の効果が発揮されない懸念もある.実臨床で併用療法を行うにあたって,これら薬物相互作用に配慮した薬剤選択を行うことは重要であろう.
「KEY WORDS」薬物治療,単剤療法,多剤併用療法,薬物相互作用,臨床試験

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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