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今が旬!マイクロRNA・エクソソーム最前線

血液中のマイクロRNA検出によるバイオマーカー探索の可能性

市川真紀子滝澤聡子落谷孝広

血管医学 Vol.16 No.4, 95-101, 2015

血清・血漿中のマイクロRNA(miRNA)はエクソソーム,蛋白質で保護されることにより安定に存在し,種々の疾患のバイオマーカーとなり得る可能性が示唆されている.しかし,血清・血漿からのmiRNAの検出にはRNAの抽出,検出の両面において技術的な課題があり,正確なバイオマーカーの同定のためにはこれらの課題を解決する手段が必要であった.われわれはRNA抽出時の断片化DNAの混入を防ぐ抽出試薬,および微量のmiRNAを精度よく検出できる高感度DNAチップを開発し,がん・認知症のマーカー候補となるmiRNAを探索している.
「はじめに」ヒトゲノムは30億対の塩基からなっているが,その中でメッセンジャーRNA(mRNA)に転写,蛋白質に翻訳されるのは,その2~3%のみであると言われている.従来,ゲノムの残りの領域は「ジャンクDNA」であって生態には寄与していないのではないか,と考えられてきた.しかしながら研究の進展につれ,この非翻訳領域に蛋白質をコードしていないにもかかわらず転写されるnon-coding RNA(ncRNA:非コードRNA)が存在することがわかってきた1).
「KEY WORDS」miRNA,血清,RNA抽出法,バイオマーカー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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