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生命機能を支えるメカノセンシング

機械受容チャネル研究の最前線

吉村建二郎

血管医学 Vol.16 No.4, 87-93, 2015

「Summary」機械受容(MS)チャネルは,細胞膜や細胞骨格に生じる力により活性が制御されるイオンチャネルである.聴力,平衡感覚,触覚などの機械感覚はもとより,血流や浸透圧などさまざまな要因によって生じる力を感じるために使われる.MSチャネルのピエゾは,血管内皮細胞の形態形成や赤血球の体積調節など,多様な組織の機械受容に関与する.さらに,パネクシン,2ポアドメインカリウムチャネル,TRPチャネル,MscL,MscSに焦点を当て,その機能,構造,活性化機構を概説する.
「はじめに」イオンチャネルをイオン通過孔の開閉の制御機構で大別すると,細胞膜の電位によって制御される電位依存性チャネル,チャネルに結合する物質(リガンド)によって制御されるリガンド依存性チャネル,そして細胞膜や細胞骨格に生じる力によって制御される機械受容(mechanosensitive:MS)チャネルに分けられる.
「Key words」ピエゾ,2ポアドメインカリウムチャネル,パネクシン,TRPチャネル,MscL,MscS

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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