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特集 LDL/HDLコレステロールを標的とした動脈硬化症の新しい治療ストラテジー

抗炎症作用に関する新規ホスホリパーゼ阻害薬

宮﨑哲朗代田浩之

血管医学 Vol.16 No.1, 61-66, 2015

「Summary」ホスホリパーゼA2(PLA2)スーパーファミリーに属する酵素は,さまざまな生理活性物質を生成することにより,動脈硬化症発症進展に寄与する.近年,分泌型PLA2の阻害薬であるバレスプラジブ(varespladib),リポ蛋白関連PLA2の選択的阻害薬であるダラプラジブ(darapladib)が開発され,動物実験,臨床研究において抗炎症作用,抗動脈硬化作用を有することが報告されている.しかしながら,大規模臨床試験ではPLA2阻害薬の心血管イベント発症抑制効果は認められておらず,動脈硬化症の本態である炎症を抑制することにより,心血管イベントを抑制することの困難さが改めて浮き彫りとなった.今後,新たなPLA2阻害薬を含む有効な抗炎症薬が開発されることが望まれる.
「はじめに」動脈硬化症の本態が炎症であることはよく知られている.これまでに白血球数,C反応性蛋白(C-reactive protein:CRP),血清アミロイドA(serum amyloid A)といった炎症性物質と動脈硬化性疾患の関連が報告されており,脂質異常症,糖尿病,高血圧などの古典的な冠危険因子に介入した後に残る,いわゆるresidual risk(残余リスク)として炎症が注目されている.
「Key words」抗炎症薬,ホスホリパーゼA2(PLA2),分泌型PLA2,リポ蛋白関連PLA2,STABILITY試験

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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