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特集 LDL/HDLコレステロールを標的とした動脈硬化症の新しい治療ストラテジー

HDL-C増加薬の現状

三井田孝

血管医学 Vol.16 No.1, 29-35, 2015

「Summary」疫学調査で,HDL-Cと心血管イベントの間に負の相関が示されている.しかし,スタチンで強力にLDL-Cを低下させても,心血管イベントは30~40%しか低下しない.この残余リスクを低下させるため,HDLをターゲットとした治療に期待が集まっている.HDL-Cを増加させる薬剤には,ナイアシン,フィブラート,CETP阻害薬などがある.最近報告された2つのスタチン服用者を対象としたナイアシンの大規模臨床試験では,HDL-Cは増加したが心血管イベントは有意に低下しなかった.CETP阻害薬のトルセトラピブ(torcetrapib)とダルセトラピブ(dalcetrapib)は,HDL-Cを著明に増加させたが心血管イベントを抑制せず,開発中止となった.現在,わが国でアナセトラピブ(anacetrapib)とエバセトラピブ(evacetrapib)の第Ⅲ相臨床試験が行われている.
「はじめに」高比重リポ蛋白(HDL)は,リポ蛋白のうち最も重い比重を持ち,最も粒子径が小さい粒子である.血液サンプルからのHDLの分離は,1940年代後半より超遠心法を用いて行われるようになった.
「Key words」HDL-C,ナイアシン,フィブラート,選択的PPAR修飾薬(SPPARM),CETP阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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