<< 一覧に戻る

発生学・再生学シリーズ

二次心臓領域の発生と先天性心疾患

山岸敬幸

血管医学 Vol.13 No.3, 115-122, 2012

先天性心疾患は, 最も頻度が高い先天異常のひとつであり, 新生児・乳児死亡の重要な原因である. 特に, 心臓流出路, 右心室発生異常を含む複雑心疾患は重篤な場合も多く, その病態および発生機序に関する研究の進展が望まれる. 近年の臨床心臓発生学の進歩により, 心臓発生には複数の異なる起源の幹細胞が関与することが明らかとなり, その中で, 二次心臓領域と命名された心臓前駆細胞プールが, 心臓流出路および右心室の発生に必須であることが示された. 二次心臓領域由来細胞の役割および心臓神経堤細胞との細胞間相互作用の研究により, 複雑な三次元構造の異常を示す先天性心疾患の病態・発生機序解明に新たな知見が得られている. 「はじめに」心臓大血管は循環系を担う臓器として胎生期に最初に機能し始め, 胚発生の段階に合わせて形態変化していく. 由来の異なる心臓前駆細胞が増殖・移動・分化し, 心臓を構成する各部位が特異的に形成され, 成熟した三次元構造と機能を獲得する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る