Summary
マウスの心臓においてマイクロRNA(microRNA;miRNA)全体の生成過程が障害されると,心機能低下につながり最終的に死に至る.そのためmiRNAが心臓に必須の因子であり,ヒトにおいてもその発現変化が少なからず病態生理に影響を及ぼしているものと考えられる.心肥大におけるmiRNAの発現変化はおもにマウス大動脈縮窄モデルにおけるマイクロアレイ解析により明らかにされている.それらを元にした培養心筋細胞や遺伝子改変マウスによる研究から,特定のmiRNAの発現変化により心肥大が引き起こされることが明らかにされている.これまでのところmiRNAは心肥大にかかわる遺伝子の発現を制御することにより,その形成に寄与していると考えられている.
全文記事
マイクロRNAと循環器疾患
心肥大とマイクロRNA
掲載誌
血管医学
Vol.12 No.3 61-67,
2011
著者名
西仁勇
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尾野 亘
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木村剛
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
媒体
血管医学
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。