<< 一覧に戻る

Summing Up(Frontiers in Glaucoma)

緑内障の検査

竹本大輔東出朋巳

Frontiers in Glaucoma No.60 25-33, 2020

原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)(広義)は,加齢がリスク因子の慢性進行性疾患である.今後ますます進む高齢社会において,一人でも多くの緑内障患者が「生涯現役」の視機能を実現できるよう,治療戦略を考えることが我々眼科医に求められている.そのためには,緑内障をより早期の時点から診断・経過観察し,適切な時期に治療介入を行うことが必要である.
緑内障の診断は,眼科医による眼底所見の読影と視野障害の確認という方法で,従来から行われている.この診断法は古典的ではあるが,緑内障の病態に即したゴールデンスタンダードであり,その重要性が揺らぐことはない.しかしその一方で,眼底写真に基づく構造評価は非定量的であるため,特に早期例において検者間の診断のばらつきや診断の遅れが生じる可能性が問題点であり,定量的評価が求められていた.
近年,光学診療機器のめざましい発展により,特に光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)によって,緑内障の眼底所見(構造変化)の定量的評価が,日常診療の場においても容易に行えるようになった.さらには,緑内障のかなり早い段階でみられる知見が次々と報告され,視野障害が出現する以前のいわば「緑内障予備軍」ともいうべき病態(=前視野緑内障)が明らかとなった.現在ではOCTは緑内障診療においてなくてはならない診療機器といっても過言ではない.
本稿では,前視野緑内障(preperimetric glaucoma:PPG)に内容を絞り,視野とOCTについての基礎事項,そして最近10年間程度で明らかになった事項をメインに紹介しようと思う.
PPGの診断は時に難しい.PPGを診断する際は,時に微細な眼底の構造変化のみをもって緑内障性か否かを判断せねばならず,また,OCTで紛らわしい所見を示す例も多く,注意が必要である点に関しても併せて述べたい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る