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Glaucoma 私のArchives

小児緑内障診療に携わって

根木昭

Frontiers in Glaucoma No.49, 80-84, 2015

「はじめに」“Archives”とは辞書によると公的・歴史的文書あるいはその保管所ということである.それにふさわしい業績を持ち合わせていない小生が執筆するのもおこがましいが,“私のArchives”ということで個人的,私小説的な文章を書くことでご容赦いただきたいと思う.題材は小生が眼科診療に携わったなかでも思い入れのある小児緑内障を取り上げる.
「小児緑内障との出会い」小児緑内障とのかかわりは,天理よろづ相談所病院に副部長として赴任してからである.当時,眼科部長は永田誠先生であり,まさに門前市をなすという凄まじい病院であった.外来患者が多いため,眼科受付は8時から8時半までしか受け付けなかった.受診までに数日かかることも稀ではなかった.外来診療と手術に明け暮れるなか,週に1回永田先生のシュライバー(筆記係)につくことが私の最上の楽しみであった.側視鏡を通して眼底や隅角を永田先生と同時に観察し,先生と私の判断の違いを知ることで診る目を鍛えることができた.私が眼科医になれたのは永田先生に出会い,シュライバーをさせていただいたことにあると思っている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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