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The Front Line(研究会/施設紹介インタビュー)

横浜市西部地区における病薬診連携─地域全体で喘息患者をサポート

駒瀬裕子

International Review of Asthma & COPD Vol.13 No.2, 41-45, 2011

 院外処方率が9割という横浜市西部地区で,調剤薬局を含めた「病薬診連携」に2002年から取り組んでいる聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科部長の駒瀬裕子先生に,具体的な実践,開始から約10 年間における変化とこれからの課題を伺った.

国内における喘息管理の現状

─喘息管理の現状について先生はどのようにお考えですか.
駒瀬 全国的に喘息死は減っていると思いますが,実際にどういう人が喘息で亡くなっているのか,その実態はわかっていません.個人情報の保護の関係で解析が難しくなっているためです.高齢者における喘息死が問題になっていることは推測されますが,全国的な喘息死を3桁に減らすことができていないのが現状です.
─特にどういった患者さんが喘息死につながると思われますか.
駒瀬 喘息症状があっても受診しない患者さんや,喘息と診断されていても定期受診していない患者さんがいます.こういった患者さんは,定期受診する必要があることを知らないのです.何よりも本人が認識することが大切ですから,医師が言うだけではなく,マスコミを利用するなど,喘息という病気を知ってもらうことが必要だと思っています.

治療不十分な患者を調剤薬局がフォロー

─2002年から病院と薬局,診療所の連携を実施されておられますが,どういったきっかけで始められたのですか.
駒瀬 病院で定期的に治療を受けている喘息患者さんは,病状がひどくなって入院することはほとんどありません.一方で,救急に飛び込んでくる患者さんは,どの医療機関にもかかっていない人です.そういった人を拾いあげるには,診療所や薬局の手助けが必要だと考え,専門医と開業医,薬剤師による地域全体の連携システムをつくりました(図1).

─薬剤師はどのような役割を果たしているのですか.
駒瀬 最初は,薬剤師に吸入方法を指導してもらおうということだったのですが,今はそれだけではなく,患者さんのアドヒアランスなどにも目が届くようになっています.連携を始める前から薬剤師も,患者さんの薬の使い方がおかしい,吸入ステロイド薬をもらっても指示通りに使っていないなど,きちんと治療薬が処方されているにもかかわらず状態が悪い患者さんがいることに気づいていました.しかし,そういう患者さんを専門医に紹介していいのかどうか迷っていたといいます.
 十分な治療が届かない患者さんを拾い上げていくには,病院と診療所の連携も大事ですが,薬局との連携を強化することも重要です.
─病院と調剤薬局の間で,具体的にどのような連携をとっているのですか.
駒瀬 病院では患者さんに「薬剤服薬指導依頼書」と「吸入指導報告書」(図2)を渡して,調剤薬局に持って行ってもらいます.

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