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誌上ディベート

NERDは逆流性食道炎に移行するのか?

足立経一眞部紀明三輪洋人

Frontiers in Gastroenterology Vol.17 No.3, 23-37, 2012

病気というものはきわめて複雑で多様であり, その経過は多くの事象で修飾されている. 患者の生活環境やストレス, 食生活, 気候, さらにいえば人種や体質などによっても大きく経過が異なる. このような背景があるなか, 特定の疾患の自然史を語ることがきわめて困難であることは想像に難くない. 今回のディベートも同様である. NERDの自然史についてのディベートであるが, 足立先生, 真鍋先生ともしっかりと自分に与えられた立場で論じておられてわかりやすい. 足立先生は「NERDの人と健常者の逆流性食道炎になる率の差の比較」によってこの問題を論じた. ご自分のものを含めたさまざまなデータを用いて, NERD患者が逆流性食道炎へ移行する率が健常者の2倍程度高いことからNERDは逆流性食道炎へ移行しやすいと結論した. 一方, 眞部先生はNERDと逆流性食道炎の臨床像, 病態, 経過が異なることをさまざまなデータを用いて示し, この2つの疾患が同じスペクトルムにない疾患と考えられるので, NERDの多くは逆流性食道炎に移行するといえないと結論した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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