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State of the Art(Frontiers in Gastroenterology)

局所進行膵癌に対する治療戦略

古瀬純司

Frontiers in Gastroenterology Vol.15 No.4, 11-17, 2010

「はじめに」膵癌は最も予後不良の癌腫であり, 切除例も含めた5年生存率は8%程度に過ぎない. 年間23,000人以上が膵癌で死亡しており, 推定年間罹患数は22,000人を超えている. 罹患数に対する死亡数の多さは他の癌腫に比べ際立って多い. このように最も難治性の悪性腫瘍である膵癌の予後改善には高リスク群の同定とスクリーニングシステムの確立による発癌予防と早期診断が理想であるが, まだまだ実現性が薄い. 膵臓学会の全国集計では膵癌の50%が遠隔転移例, 30%が局所進行例であり, 切除可能例は20%前後に過ぎない. 日々進行癌で診断されている膵癌患者の予後改善には, 切除手術, 放射線療法, 化学療法, 緩和治療などいわゆる集学的治療と適切な治療選択が求められる. 膵癌の進行度別治療戦略として, 遠隔転移例は化学療法, 切除可能例は切除手術と術後補助化学療法が標準治療として確立しているといってよい. 一方, その中間に当たる切除不能あるいは切除のボーダーラインである局所進行癌では化学療法単独, 化学放射線療法, さらにdown stageを目指した治療戦略などさまざまな試みが行われているが, ガイドラインでも明確な標準治療の言及はない.

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