分子標的治療
第10回 癌治療の推進役
―分子標的治療のこれから―
Frontiers in Gastroenterology Vol.15 No.3, 58-65, 2010
「はじめに」 これまでに抗悪性腫瘍薬開発の標的とされている腫瘍や周囲間質の異常には, 膜結合型受容体キナーゼ(HER-2受容体, HGF/c-Met, EGF受容体(EGFR), IGF受容体(IGFR), 等), 細胞内シグナル伝達系キナーゼ(Src, PI3k/Akt/mTOR, MAPキナーゼ, 等), エピジェネティックな異常(メチル基転移酵素, ヒストン脱アセチル化酵素, 等), 細胞周期を制御する分子群, 細胞内蛋白動態(熱ショック蛋白90, ユビキチン-プロテアソーム系, 等), 腫瘍血管を含む微小環境(血管新生, HIF, インテグリン, 等)などがある1). これらのうちの, いくつかは抗体と小分子化合物の剤型で, すでに有用な医薬品として上市されたものもある. 現在, 早期臨床フェーズにある新規癌分子標的薬のパイプラインはきわめて多い. これまでの連載で詳述された領域を含めて, 新たな癌分子標的治療を概説する.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。