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Case Report 今日の一例

一側の脳虚血で発症し,無症候性に進行した対側内頸動脈狭窄に対して頸動脈ステント留置術を施行した特発性両側頸部内頸動脈解離の一例

松木孝之有廣昇司早川幹人船津奈保子宮崎雄一佐藤徹山上宏高橋淳豊田一則

脳と循環 Vol.21 No.3, 61-66, 2016

「症例」53歳男性.
「主訴」言葉を発しない,右手足を動かさない.
「既往歴」両側精巣癌(35歳時に左側,50歳時に右側).ともに高位精巣摘除術と抗癌剤治療で再発なく,近医でフォロー中.
「家族歴」結合織病,心血管病,脳卒中の家族歴なし.
「生活歴」飲酒・喫煙なし.石材店経営.アレルギーなし.
「現病歴」某年4月X-3日から明らかな外傷などの誘因なく両側頸部の違和感,頭痛を自覚していたが,様子をみていた.X日11時に取引先へ運転し出かけた時は問題なかった.11時20分頃,目的地到着後より言葉を発さなくなった.まもなくして右上下肢脱力が出現し倒れたため,12時に前医へ救急搬送された.頭部MRI で左中大脳動脈領域の早期虚血性変化と左内頸動脈閉塞を認め,13時にアルテプラーゼ静注療法を開始した.神経症候の改善が得られず,緊急血管内治療適応を考慮し,14時58分に当院へ搬送された.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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