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特集 治療可能時間の延長に挑む

血栓溶解薬と治療可能時間

中川原譲二

脳と循環 Vol.17 No.2, 35-38, 2012

「SUMMARY」血栓溶解薬に設定されているtime windowは, その有効性と安全性を治療群全体として確実に得るために最適化された「治療適応のための時間枠」であり, 薬剤固有の有効再開通率に依存している. 血栓溶解薬のtime windowを延長するためには, 特に閉塞血管の再開通率の向上と症候性頭蓋内出血の抑制が重要である. また, time windowが延長するほど, 治療の標的であるischemic penumbraを画像として見出すことが重要となる. 「はじめに」発症から3時間以内の急性期脳梗塞に対する血栓溶解薬rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法の有効性と安全性が明らかにされて以来1), 脳虚血急性期の血流再開療法では, 治療可能時間(time window)による治療選択が一般化しつつある. 現在, 一般臨床において適応可能な血流再開療法に設定されているtime windowとその対象を整理すると, アルテプラーゼ静注療法は発症から3時間以内のすべての脳梗塞, 局所線溶療法(選択的ウロキナーゼ動注療法)2)は発症から6時間以内の中大脳動脈閉塞症, Merci retrieverやPenumbraによる血栓回収療法3)は発症から8時間以内の脳主幹動脈閉塞症となる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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