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抗凝固療法 Update

心原性脳梗塞の再発予防と抗凝固療法―ワルファリンを中心に―

星野晴彦

脳と循環 Vol.16 No.3, 35-38, 2011

SUMMARY
 心原性脳梗塞のうち最も多い非弁膜症性心房細動からの塞栓症予防のためには,抗血小板療法はたとえ2剤併用しても,経口抗凝固療法の有効性には及ばない.再発予防では経口抗凝固療法が絶対的な適応となる.ワルファリンはこれまで唯一の経口抗凝固薬として塞栓予防に使われてきたが,薬剤相互作用,食事制限,治療域が狭いために頻回モニターと頻回の用量設定が必要,薬剤効果発現と消失までに時間がかかる,などの問題がある.

KEY WORDS
非弁膜症性心房細動/ACTIVE/EAFT/Cochrane/メタアナリシス

はじめに

 心原性脳塞栓症の原因疾患としては,1980年代に発表されたCerebral Embolism Task Force の報告では45%が非弁膜症性心房細動で急性心筋梗塞や弁膜症の占める割合も多かった1)が,最近の我々の検討では心原性脳塞栓症の約60%は非弁膜症性心房細動によるものであり2),非弁膜症性心房細動の占める割合が増えていると考えられる.今回は,非弁膜症性心房細動からの心原性脳塞栓症の再発予防について,一次予防の臨床試験結果を含めて概説する.

抗血小板療法による予防効果

 Cochrane Review による虚血性脳卒中の既往のない心房細動1,965例のメタアナリシスでは,アスピリン75~325mg/日あるいは125mg隔日とプラセボの平均観察期間1.3年の比較が報告されている.アスピリンのプラセボに対するオッズ比(OR)は,全脳卒中0.70(0.47~1.07),虚血性脳卒中0.70(0.46~1.07),重度あるいは致死性脳卒中0.86(0.50~1.49),全死亡0.75(0.54~1.04),脳卒中+心筋梗塞+血管死亡は0.71(0.51~0.97)であり,頭蓋内出血や重症頭蓋外出血の増加は認められなかった(図1)3).

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