「Summary」わが国では,新規のHIV感染者/AIDS発症者数が,いまだ低下傾向を示していない。抗HIV薬の進歩にともない患者の生命予後が劇的に改善したこともあり,わが国におけるHIV感染者数は増え続けている。HIV感染者の診療に際しては,特別な対応は必要なく,スタンダードプリコーションの遵守が基本となる。HIVは,HBVやHCVと比較して感染力が弱いため,医療器具の消毒などもHBVのマニュアルに準じて行うことで十分である。針刺しなどの曝露事故の際には,すみやかに抗HIV薬を内服することにより感染率を下げることができる。いざという時に慌てないために,曝露事故時の対応マニュアルなどを各施設で整備しておくことが重要である。
「Key Words」HIV感染症,AIDS,標準予防策,曝露事故,抗HIV薬
「Key Words」HIV感染症,AIDS,標準予防策,曝露事故,抗HIV薬