<< 一覧に戻る

特集 生体防御における免疫反応の新知見

Ⅱ.新展開を生じた生体反応の最新情報 5.IL-17産生γδ型T細胞と感染防御の関連

The roles of IL-17-producing γδ T cells in host defense against infection

吉開泰信

Surgery Frontier Vol.21 No.3, 52-56, 2014

「Summary」 γδ型T細胞由来のIL-17Aは, 細胞外寄生性細菌として大腸菌に代表される細胞外寄生性細菌感染に対して好中球浸潤を誘導することで感染防御にかかわっている. 肺でのカンジダや肺炎桿菌感染, 皮膚のブドウ球菌の感染防御でもγδ型T細胞由来のIL-17Aが重要である. 一方, 細胞内寄生性細菌として, 結核菌やリステリア感染でγδ型T細胞由来のIL-17Aが感染防御に働く. この場合, IL-17の好中球浸潤誘導能のみならず, デフェンシンなどの抗菌ペプチドの誘導や肉芽腫形成を誘導する機能が関与している.

「はじめに」 微生物の侵入に対して生体は, まず好中球などの原始的な食細胞を中心とした自然免疫で防御し, さらにより進化した抗原特異的Tリンパ球, Bリンパ球の獲得免疫で最終的に撃退する. このような感染防御機構の時間的変遷は, ヘッケルの反復説「個体発生は系統発生を繰り返す」のように「生体防御機構は個体発生を繰り返す」を彷彿させる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る