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第75回最新の脂肪酸バイオロジー研究 ω3/ω6系脂肪酸バランスと炎症の制御

Surgery Frontier Vol.19 No.4, 52-54, 2012

「はじめに」脂肪酸には多くの種類があり, 飽和と不飽和, さらに不飽和度の高い多価不飽和脂肪酸などに大別される1). そのなかでも, エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω3系多価不飽和脂肪酸は, 抗炎症作用や心血管保護作用をはじめとする健康増進効果に優れていることが知られている. しかしながら, これらの脂肪酸がなぜ体によいのか, その分子レベルでの作用機序はいまだに不明な点が多い. 分子中に二重結合を複数含む多価不飽和脂肪酸は, メチル端から数えた二重結合の位置によりω3系脂肪酸とω6系脂肪酸に分類され, これらは哺乳動物の体内において相互変換されることはなく, 代謝的に質の異なる脂肪酸である(図1). ω6系脂肪酸に属するアラキドン酸からはエイコサノイド(プロスタグランジンやロイコトリエン)と呼ばれる一連の脂質メディエーターが産生される. エイコサノイドは, 血管透過性の亢進や好中球の浸潤を促進するなど, 一般的に炎症増悪性の生理活性を有する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録