特集 漢方医学の妙諦を探る
漢方医学が得意とする婦人科症状:その発症メカニズムと治療効果
(1)冷え
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.26 No.4, 47-52, 2019
冷えは漢方医学が得意とする症状の1つであり,古来,女性の冷えを治療するため創意工夫されてきた。冷えの部位により全身型,四肢末端型,上熱下寒型に分類されるが,そのメカニズムとして熱交換や気血水の異常などがある。近年,漢方治療は冷えに有効であるというsystematic reviewが報告された。また,生薬の冷えに対する分子機構の研究も散見され,温度感受性TRPチャネルであるTRPV1やTRPA1の関与が示唆されている。今後,さらなる漢方薬の冷えに対するエビデンスの構築と分子機構の解明が期待される。
「KEY WORDS」冷え症,熱出納,温薬,TRPV1,TRPA1
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。