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特集 QOL向上のための内分泌療法

脂質異常症

若槻明彦

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.24 No.4, 41-46, 2017

経口の結合型エストロゲンは低比重リポ蛋白 (low density lipoprotein;LDL) コレステロールを低下させ,高比重リポ蛋白 (high density lipoprotein;HDL) コレステロールを上昇させる脂質代謝改善効果があるが,中性脂肪 (triglyceride;TG) を上昇させ,動脈硬化に促進的な小型LDL (small dense LDL) を産生させる。一方,経皮エストロゲンには脂質濃度の改善効果は期待できないが,TGを低下させ,LDLを大型化させる。また,エストロゲンはそれ自身に抗酸化作用があるが,結合型エストロゲン (conjugated equine estrogen;CEE) の場合,活性酸素の産生を増加させるが,経皮エストロゲンではむしろ低下させる。黄体ホルモンも脂質に影響する。男性ホルモン作用を有する黄体ホルモンはエストロゲンのHDLコレステロール上昇作用を相殺するが,男性ホルモン作用のない天然型プロゲステロンでは悪影響のないこともわかっている。したがって,閉経後ホルモン補充療法を行う際,心血管疾患リスクを考慮したエストロゲンの種類・投与経路,黄体ホルモンの種類などを選択する必要がある。
「KEY WORDS」脂質異常症,心血管疾患,エストロゲン,黄体ホルモン,ホルモン補充療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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