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特集 ニューロステロイド

ニューロステロイド研究の歴史的経緯

山田久夫平原幸恵

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.24 No.2, 15-20, 2017

ニューロステロイドの定義は,「脳で合成され,ローカルホルモンとして神経組織に作用するステロイド」とするのが一般的である。この定義に揺らぎがあり,de novo にコレステロールから合成されるのか中間前駆体からでもよいのか,合成の場がグリア細胞なのかニューロンなのかといった議論もあったが,あまり厳密には考慮しなくてよいと思われる。ステロイド骨格にはA,B,C,D環の立体配座でシスやトランスの関係があるが,初期にはステロイドホルモンと同じトランス-トランス-トランス型のみをニューロステロイドの仲間と想定していた。最近,植物・両生類のものと考えられてきたシス-トランス-シス型ステロイドや胆汁酸類もニューロステロイドとして盛んに研究されている。ここに至る研究の歴史的経緯を紐解く。
「KEY WORDS」histochemistry,imaging mass spectrometry,neurosteroid,cytochrome P450 enzyme(CYP),内因性ジギタリス,胆汁酸

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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