特集 妊孕性温存
各種がんと生殖機能温存
(3)卵巣がん
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.23 No.4, 45-51, 2016
卵巣がんは,卵子の局在する臓器の腫瘍であるため両側卵巣を摘出することによりそのまま妊孕性の喪失となる。現状は進行期および組織型により卵巣を残せるかどうかが問題となる。残存卵巣への卵巣刺激後の卵子獲得や卵巣組織凍結の報告もされているが,腫瘍再発や腫瘍細胞の再移入が懸念されている。将来的に卵胞の体外培養技術や卵子幹細胞からの卵子作製,胚性幹(embryonic stem;ES)細胞・人工多能性幹(induced pluripotent stem;iPS)細胞からの卵子幹細胞の作製が期待されているが,いまだ研究段階である。
「KEY WORDS」妊孕性温存手術,卵巣がん治療ガイドライン,表層上皮性・間質性腫瘍,上皮性境界悪性腫瘍,胚細胞腫瘍,性索間質性腫瘍
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。