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特集 着床

胚と脱落膜の相互関係

梶原健石原理

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.22 No.3, 55-59, 2015

「Summary」ヒトの着床過程では,受容能をもつ脱落膜化した子宮内膜と正常に発育する胚の密接な相互作用が重要である。近年,脱落膜細胞にはヒト胚で高率に認められるゲノム不安定性を認識し,良好胚を選択する能力が存在すること,またその能力の欠如が着床不全や習慣性流産の一因になる可能性が提唱されている。これまで明確なエビデンスのないこれらの病態の治療法として,今後の研究の進展と臨床応用が期待される。
「はじめに」ヒトの妊娠が成立するためには,子宮内膜と胚との密接な相互作用が重要である。妊娠成立過程において多数の胚が淘汰されるが,胚の異数性(aneuploidy)がその原因であると考えられている。そのため母体はこれらの不適切な胚が子宮内膜へ浸潤することを阻止する必要がある。近年,脱落膜化した子宮内膜には能動的に良好胚を認識し選択する能力(sensor of embryo quality)があるとする仮説が提唱されている1)2)。本稿ではこの新しい概念に関して,これまでの研究結果とそこから導かれた本仮説に関して解説を行う。
「Key words」子宮内膜,脱落膜細胞,胚,相互作用,バイオセンサー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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