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特集 オミックスが拓く生殖医学の未来

トランスクリプトミクス 網羅的マイクロRNA解析による妊娠高血圧症候群の機序の解明

瀧澤俊広大口昭英

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.22 No.1, 53-58, 2015

「Summary」胎盤の網羅的マイクロRNA(miRNA)発現解析から,妊娠高血圧腎症(PE)の胎盤においてmiRNAの発現異常が起きており,異常miRNAの標的分子である胎盤特異的エストラジオール(E2)合成酵素(HSD17B1)の調節不全が引き起こされていることが明らかとなった。さらに,妊婦血液中でHSD17B1が検出可能であり,血漿HSD17B1値はPEの新たな予知マーカーになる可能性が示された。胎盤のトランスクリプトームにより,周産期医療のための新しい予知・診断ツールの開発がさらに進展することが期待される。
「はじめに」マイクロRNA(miRNA)は,長さ約22塩基長の低分子ノンコーディングRNA(蛋白質をコードしない領域から転写されたRNA)である。miRNAと相補的な配列をもつmRNA(標的となるmRNA)の非翻訳領域と結合し,遺伝子発現を微調整している。このmiRNAの転写後翻訳調節は,さまざまな細胞の生理機能や疾患の分子病態に関与することが明らかにされつつある1)。
「Key words」マイクロRNA,胎盤,妊娠高血圧腎症,HSD17B1,予知マーカー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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