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特集 ジェンダーと血栓症

Ⅲ.血栓症のリスクファクター 2.血圧の男女差

石川讓治桑島巌

血栓と循環 Vol.23 No.4, 21-25, 2015

「論文のポイント」
[1]女性は閉経後,血管内皮機能低下,動脈スティフネスの亢進が起こる.
[2]閉経後,女性の血圧上昇が大きくなる.
[3]加齢による血圧上昇のパターンは男女で異なる.
[4]白衣現象も男女差がある.
「はじめに」血圧が男女差を生じる主な要因は,妊娠および閉経である.更年期は女性ホルモンの変動に伴い血圧が変動し,閉経後は女性ホルモンの減少によって,血管内皮機能が低下,動脈スティフネスの亢進が認められる.そのため女性は閉経後,加齢による血圧上昇が急峻となる.妊娠高血圧症候群は,子癇と妊娠高血圧に分類されるが,子癇は胎盤由来のサイトカインやチロシンキナーゼが関与し,妊娠高血圧は循環血液量の増加や血管原性バイオマーカーが関連していることが報告されている.妊娠高血圧は,胎盤血流および催奇形性に注意しながら血圧をコントロールすることが必要である.
「キーワード」加齢/血管内皮機能/動脈スティフネス/白衣現象

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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