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特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療

Ⅲ.DIC臨床各論 4.造血幹細胞移植とDIC―TAM/GVHDなどとの鑑別は?

池添隆之

血栓と循環 Vol.23 No.2, 58-64, 2015

「論文のポイント」
[1]造血幹細胞移植後に発症する類洞閉塞症候群,微小血管障害症,生着症候群や移植片対宿主病は内皮細胞障害を伴うため,新たに提唱された疾患概念である内皮細胞症候群に属する.
[2]造血幹細胞移植後は内皮細胞症候群に伴い凝固異常を併発し,時にDICに進展することがある.
[3]造血幹細胞移植後は過凝固のマーカーであるSFやTATの増加を捉えることで内皮細胞症候群の早期診断が可能かもしれない.
[4]造血幹細胞移植後に合併するDICには,抗炎症作用と血管内皮細胞保護作用を併せ持つ抗凝固薬である遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤の効果が期待される.
「キーワード」造血幹細胞移植/播種性血管内凝固症候群/移植関連微小血管障害症/移植片対宿主病/トロンボモジュリン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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