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特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療

Ⅰ.敗血症DICの病態 3.病理学の立場からみたDICの病態

盛口淸香丸塚浩助

血栓と循環 Vol.23 No.2, 19-23, 2015

「論文のポイント」
[1]DIC病態の基礎は,種々の基礎疾患によって引き起こされる,全身性の血液凝固亢進状態である.
[2]敗血症DICでは,凝固能が異常亢進しているにもかかわらず,それに見合った線溶系反応によって代償できていない状態である.
[3]組織学的な特徴は,多発性微小血栓と出血,それらの結果によって生じる臓器障害像である.
[4]微小血栓の構成成分は,DIC早期には血小板優位であり,その後,フィブリン血栓によって置換される.
「キーワード」敗血症/DIC/微小血栓/組織像
「はじめに」DIC(Disseminated intravascular coagulation)の病態の基礎は,種々の疾患によって引き起こされる,全身性の血液凝固亢進状態である.全身の毛細血管などに微小血栓を生じ,その結果として消費性凝固障害を引き起こす.更に,線溶活性の亢進に伴って出血症状が生じる.全身臓器において,循環障害・機能障害を引き起こすため,多臓器不全を来し高率に死に至る.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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