特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療
Ⅰ.敗血症DICの病態 2.動物DICモデルから学ぶDICの病態と治療
血栓と循環 Vol.23 No.2, 14-18, 2015
「論文のポイント」
[1]敗血症モデルとして広く用いられているエンドトキシン投与モデルでは,血小板数の減少やフィブリン分解産物の増加,フィブリノゲンの減少など,ヒトのDICにおいてみられる凝固異常が再現可能である.
[2]エンドトキシン誘発DICモデルでは,微小循環障害による多臓器障害がみられるが,その要因として①血流速度の低下や血管収縮といった物理的要因,②ケミカルメディエータなどを介した血管内皮や血球の活性化/障害,③凝固の活性化による血栓形成などの因子が重要である.
[3]エンドトキシン誘発DICモデルにおける微小循環観察により,臓器循環障害には①活性化白血球,②活性化血小板,③血管内皮障害,④血栓形成,などの各因子が互いに連関しつつ関与していることが明らかになった.
[4]エンドトキシン誘発DICモデルは複雑な病態の理解とともに,各種治療薬の有効性評価にも有用と考えられる.
「キーワード」微小循環障害/血管内皮細胞/敗血症性多臓器障害/エンドトキシン/生体顕微鏡
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