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特集 EBMからみた抗血栓薬の選択

Ⅲ.各論 3.アテローム血栓症の再発予防における抗血栓薬の選択 (1)脳梗塞

山中圭桑城貴弘岡田靖

血栓と循環 Vol.23 No.1, 26-30, 2015

「論文のポイント」
[1]本邦の脳卒中ガイドラインでは,脳梗塞の再発予防として抗血小板薬アスピリン,クロピドグレル,シロスタゾール,チクロピジンが推奨されている.
[2]クロピドグレルはステント留置した虚血性心疾患や頭頸部主幹動脈病変を有する再発ハイリスク症例で,シロスタゾールは心不全リスクがない糖尿病合併例や出血リスクの高い患者で選択されることが多い.アスピリンは安価,エビデンスも豊富で汎用されているが脳血管の立場からは病態,出血リスクを評価して他剤を選択する機会が増えている.
[3]長期の抗血小板薬併用療法は出血性合併症の発生リスクを増長するが,脳梗塞急性期における限定的な併用療法では出血リスクを増加させることなく再発リスクを低減するとの報告が多い.
[4]EPA(Eicosapentaenoic acid)製剤はスタチンと併用し再発予防効果を高めると期待されている.
[5]症例個々の血管病変や危険因子,合併症,出血リスク等を評価し薬剤を選択することが重要である.
「キーワード」再発予防/動脈硬化/抗血小板薬/併用療法/頭蓋内出血

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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