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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など d.遺伝子多型 1.クロピドグレル投与による臨床効果におけるCYP2C19遺伝子型の影響

梅村和夫

血栓と循環 Vol.19 No.3, 301-303, 2011

出 典
Paré G, et al:
Effects of CYP2C19 genotype on outcomes of clopidogrel treatment.
N Engl J Med 363(18):1704-1714, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 クロピドグレルはCYP2C19により活性代謝物に変換され,抗血小板作用を認める.CYP2C19遺伝子変異で酵素活性が低下あるいは消失した患者群(2,3の遺伝子変異を有している)では,クロピドグレルによる心血管イベントに対する効果が減少するという報告が多くみられる.また,CYP2C19遺伝子変異で酵素活性が亢進した患者群(17の遺伝子変異を有している)では,クロピドグレルの効果が増強され出血のリスクが増加するという報告がある.しかし,未治療の対照群が置かれていないことで,他の因子,例えば同様なCYP遺伝子群がクロピドグレル以外の薬物代謝に影響したり,あるいは薬の代謝と関係のない独立したメカニズムにより効果に影響する可能性がある.そこで,本稿では2つのプラセボを対照とした無作為化二重盲験試験において,プラセボ群とクロピドグレル群の間で遺伝子型ごとのクロピドグレルの有効性と安全性を比較検討した.

対象

 The CURE studyにエントリーした非ST-上昇型急性冠動脈症候群患者12,562名のうち,遺伝子解析ができた5,059名(プラセボ投与2,510名とクロピドグレル投与25,549名からなる)とACTIVE Aにエントリーした心房細動患者のうち,遺伝子解析ができた1,156名(プラセボ投与586名とクロピドグレル投与570名からなる)を対象とした.

方法

 対象患者のCYP2C19遺伝子変異(2,3,17)を解析し,プラセボを対照として心血管イベント(それぞれの試験の主要エンドポイント)と生命に関わる重大な出血(major bleeding)に対するクロピドグレルの効果を検討した.The CURE studyは急性冠動脈症候群を有した患者,ACTIVE Aは心房細動を有した患者を対象とした試験である.2つの試験はプラセボを対照とした無作為化二重盲検試験で,クロピドグレル1日75mg投与による心血管イベントおよびmajor bleedingに対する効果を比較検討したものである.

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