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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など c.血液凝固異常 2.抗リン脂質抗体症候群のハイリスク患者の臨床経過

杉山浩二磯部光章

血栓と循環 Vol.19 No.3, 298-300, 2011

出 典
Pengo V, et al:
Clinical course of high-risk patients diagnosed with antiphospholipid syndrome.
J Thromb Haemost 8(2):237-242, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 抗リン脂質抗体症候群(APS)は抗リン脂質抗体(aPL)の出現による血栓関連の臨床障害や不育症によって特徴付けられる後天性自己免疫疾患である.APSの臨床像は一般臨床診療でよく遭遇する.APSの診断は臨床検査でaPL[すなわちループスアンチコアグラント(LA),カルジオリピン抗体(aCL)抗体,抗β2-Glycoprotein Ⅰ(aβ2GPⅠ)抗体]の存在を認めることである.複数の検査が陽性である場合,血栓塞栓イベントと重症不育症と関連することが知られている.われわれの知る限りでは,3項目すべての臨床検査で陽性であったAPS患者のみを集めた群の特徴と臨床経過を報告した調査はない.この研究において,APSで3項目陽性のハイリスク患者の臨床的特徴と臨床経過を評価した.

対象

 イタリアの血栓症センターでAPSの診断が確定しており2つの対象施設で少なくとも12週間以上あけてaPLの3項目(LA,aCL,aβ2GPⅠ抗体)すべてが陽性であった患者160例(41.1±15.0歳 女性113例)がこのコホート研究に登録された.

方法

 前向き調査の結果収集されたデータを解析した.観察期間は1989年3月~2009年3月まで.センターで各々の患者の人口統計データ,検査データ,臨床データが収集された.診断時の血栓塞栓イベントの種類と部位は客観的に扱われた.追跡調査期間中に客観的に診断された血栓塞栓症イベントは,種類,部位,イベント時の抗血栓治療の状態で報告された.イベント時に抗凝固薬が投与されなかった場合,あるいはアスピリンの治療を受けた場合,患者は経口抗凝固薬を服用しなかった.

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