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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など c.血液凝固異常 CHARGE Consrtium 1.血液凝固第Ⅶ因子,第Ⅷ因子,フォンビルブランド因子の血漿濃度に関連する新たな複数の遺伝子座

篠澤圭子

血栓と循環 Vol.19 No.3, 295-297, 2011

出 典
Smith NL, et al:
Novel associations of multiple genetic loci with plasma levels of factor Ⅶ, factor Ⅷ, and von Willebrand factor:The CHARGE(Cohorts for Heart and Aging Research in Genome Epidemiology) Consortium.
Circulation 121(12):1382-1392, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 血液凝固第Ⅶ因子(FⅦ),第Ⅷ因子(FⅧ),フォンビルブランド因子(von Willebrand factor:vWF)の血漿濃度は,出血と血栓症の危険性に影響を及ぼす.血友病AはFⅧ遺伝子(F8)の変異を病因とする血漿FⅧ活性の低下/欠乏によるX連鎖性劣性遺伝の出血性疾患であり,それと同様に先天性FⅦ欠乏/低下症とvWF欠乏/低下症(von Willebrand病)はそれぞれFⅦ遺伝子(F7)とvWF遺伝子(VWF)の変異を病因とする常染色体劣性遺伝の出血性疾患である.一方,血漿FⅧとvWFレベルの上昇は静脈血栓症の危険因子となることが知られているが,FⅦレベルの上昇と動脈血栓症との関連性を支持するデータはわずかしか一貫性がない.これらの血漿レベルの変動は,多くの環境要因と遺伝的要因から影響を受け,その遺伝率は,FⅦが0.53~0.63,FⅧが0.40~0.61,vWFが0.31~0.75と推定されている.
 本稿で紹介する,The CHARGE(ゲノム疫学による心臓と加齢のためのコホート研究)コンソーシアムは,FⅦ,FⅧ,vWFの血漿濃度と遺伝子多型との関連性を調査するために,ゲノムワイド関連解析(Genome-wide association study:GWAS)を実施した.

対象

 5つのコミュニティーベース研究,①アテローム性動脈硬化症の危険性のコミュニティ研究(ARIC),②循環器系の健康研究(CHS),③イギリスの1958年出生のコホート研究(B58C),④フラミンガムの心臓研究(FHS),⑤ロッテルダムの研究(RS)の,ヨーロッパ人を祖先にもつ23,608人を対象とした.

方法

 すべての参加者は,ゲノム全域の1塩基置換(Single nucleotide polymorphism:SNP)探索と,FⅦ活性/抗原量,FⅧ活性,vWF抗原量のうちの少なくとも1項目の表現型測定を行っている.コホートごとに独立してGWAS用SNPタイピングを実施し,国際HapMapプロジェクトのSNPsデータベースに基づいた関連解析を行った.コホート研究結果は,メタ解析により組み合わせた.再現性の検討は,発見したコホートではない7,604人を対象にした.

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