<< 一覧に戻る

データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など a.薬物療法 8.短期間のワルファリン治療中断に伴う血栓塞栓症のリスク

井上博

血栓と循環 Vol.19 No.3, 274-275, 2011

出 典
Garcia DA, et al:
Risk of Thromboembolism With Short-term Interruption of Warfarin Therapy.
Arch Intern Med 168:63-69, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 長期間ワルファリンによる抗凝固療法を受けている例で,外来で行われる小手術,消化管内視鏡検査の際にワルファリンの投与を短期間中断することがある.この中断に伴う血栓塞栓症の発生頻度や中断期間との関係,ワルファリン中断期間中に橋渡しとして行うヘパリン代替療法(未分画ヘパリン,低分子ヘパリン)に伴う出血のリスクについては十分明らかにはされていない.ACCPのガイドラインは,血栓塞栓症のリスクが低い例では,手技に伴い4~5日間ワルファリンを中止し,術後すぐに再開することを薦めている.
 この研究は,短期間のワルファリン中断に伴う血栓塞栓症やヘパリン代替療法に伴う出血のリスクを明らかにするため,前向きに観察を行った.

対象

 2000年4月~2002年6月に,地域の内科クリニック101施設において種々の疾患に対して長期間投与されていたワルファリンが中断された1,024例(投与中断は1,293回)を対象とした.平均年齢は71.9±10.6歳,女性が42.8%を占めた.

方法

 前向き登録研究により,ワルファリン中断の理由,期間,ヘパリン代替療法の有無,ワルファリン中断後30日以内の血栓塞栓症・出血の頻度を調査した.
 外来で行われた小手術,検査を対象とし,入院を要する手術は対象には含めない.主要エンドポイントは,血栓塞栓症(動脈系,静脈系とも)と出血とした.重大な出血は,致死的なもの,2単位以上の濃厚赤血球輸血を要する入院,重要部位(頭蓋内,後腹膜など)への出血とした.上記以外の出血で,何らかの処置を要した場合,重大ではないが臨床的に重要な出血とした.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る