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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

7.検査法・診断法 ARIC 3.頸動脈内膜中膜肥厚および頸動脈プラークの有無を用いることによる冠動脈疾患のリスク予測の向上―ARIC(Atherosclerotic Risk In Communities)試験

吉田雅伸冨山博史山科章

血栓と循環 Vol.19 No.3, 245-246, 2011

出 典
Nambi V, et al:
Carotid intima-media thickness and presence or absence of plaque improves prediction of coronary heart disease risk: the ARIC (Atherosclerosis Risk In Communities) study.
J Am Coll Cardiol 55(15):1600-1607, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 Framingham risk scoreなどの従来からの心血管危険因子(TRF)は冠動脈疾患リスクの同定に有用であるが,こうしたリスク評価には限界があった.頸動脈超音波検査で測定される頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)が虚血性心疾患(CHD),脳卒中の発症や予防に関連していること,スタチンの介入試験でCIMTの退縮を認めること,さらにCIMTは心血管イベント予測のROC曲線下面積(AUC)の改善を認めるなどの報告から,CIMT測定は臨床の現場で心血管疾患のサロゲートマーカーとして推奨されている.一方で,頸動脈プラークの存在がCIMTに独立してCHDに関連することが報告されている.今回の研究では,TRFに頸動脈超音波検査で測定された頸動脈内膜中膜肥厚(CIMT)およびプラーク有無を追加した場合に,冠動脈疾患(CHD)発症リスクの予測能の向上の有無について検討した.

対象

 ARIC研究は1987~1989年までのアメリカの4つの集団において45~64歳までの15,792人を対象とした心血管発症の追跡調査をした疫学研究である.この研究では,CHD,脳卒中の既往(763人),CHDデータの紛失(339人),CIMTやプラークデーターの紛失(909人),従来からのCHD危険因子情報の紛失(533人),黒人白人以外の人種(48人),ミネソタ,ワシントンfield centerからの黒人参加者は除外し,その他の13,145人を対象に行った.

方法

 受診者に頸動脈超音波測定を行い,CIMT(総頸動脈,分岐部,内頸動脈の3ヵ所測定の平均),頸動脈プラーク(CIMT>1.5mmまたは動脈壁形態より判定)の有無を測定した.リスク予測モデル(全体,および男女別)として,TRFのみ,TRF+CIMT,TRF+プラーク,TRF+CIMT+プラークの群に分類し,さらにCIMTは25%パーセンタイル未満,25~75%パーセンタイル,75%パーセンタイルより大の3群に分別した.Area under curve (AUC)を算出することにより,モデルの心血管イベント予測力を求めた.また,Cox比例ハザードモデルを使用して各々のモデルで10年CHDリスクを推定し,0~5%(低リスク),5~10%(低中度リスク),10~20%(中高度リスク),20%以上(ハイリスク)に各々の群に再分類された症例数を求めた.観察されたイベントと予測されたイベントとの比較を行い,再分類指数を算出した.

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