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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

7.検査法・診断法 POPular 1.冠動脈ステント留置術を受けた患者における,臨床アウトカムに対する血小板機能検査法の比較

野口将彦岩淵成志

血栓と循環 Vol.19 No.3, 240-242, 2011

出 典
Breet NJ, et al:
Comparison of platelet function tests in predicting clinical outcome in patients undergoing coronary stent implantation.
JAMA. 303(8):754-762, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 冠動脈ステント留置術後,アテローム血栓症の発生リスクの抑制のため,アスピリン・クロピドグレルの2剤の抗血小板薬療法が行われる.しかし,血小板凝集抑制効果は個体差があることが知られている.これまでの研究では,この抗血小板療法中の残存血小板機能がアテローム血栓症の発生リスクに影響を与えることが示されているが,いずれの研究も1つの血小板機能試験により評価しており,依然として抗血小板薬の効果を定量的に測定する最適な方法についてコンセンサスが得られていない.本稿にて紹介するトライアルでは,抗血小板療法中の血小板活性を知るための最適な検査法を同定するため,クロピドグレルの前治療を受けた後に待機的冠動脈ステント留置術を受ける患者を対象に,アテローム血栓性イベントに対する6通りの血小板機能検査の精度を比較し,実際にどのような血小板機能検査が臨床的に有用であるかについて検討した.

対象

 冠動脈疾患に対して,2005年12月~2007年12月の間に待機的に冠動脈ステント留置術を受けた連続1069人の患者を対象とした.

方法

 単施設の前向きコホートスタディである.追跡期間は12ヵ月.全患者はステント留置術前から最適な用量のクロピドグレル(75mg/日維持量を5日以上,もしくはPCIの24時間以上前に300mgのloading dose,または4時間以上前に600mgのloading dose)とアスピリン(80~100mg/日を10日以上)の投与を受けていた.術後12ヵ月はクロピドグレル75mg/日とアスピリン80~100mg/日を投与した.ステント留置術後,維持用量のクロピドグレルとアスピリンを使用している患者から採血を行い,以下の方法で血小板活性を測定した.①Light transmittance aggregometry(LTA:比濁法,ADP刺激は5μmol/Lまたは20μmol/L)②VerifyNow-P2Y12③Plateletworks④IMPACT-R(ADP刺激あり,またはなし)⑤PFA-100(コラーゲン/ADP刺激)⑥INNOVANCE PFA P2Y(最新型のPFA-100システムであり,試験が半分終わった頃に研究利用が可能になり,それ以降はINNOVANCE PFA P2Yも使用).主要エンドポイントは,全死因死亡,非致死的急性心筋梗塞,ステント血栓症,虚血性脳卒中からなる複合イベントとし,安全性のエンドポイントはTIMI出血分類に基づく大出血と小出血に設定した.

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