<< 一覧に戻る

データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

5.末梢血管・静脈血栓・肺塞栓 CASPAR 4.PAD患者のバイパス手術において,ASAとクロピドグレル併用投与の有用性に関する無作為試験

國吉幸男

血栓と循環 Vol.19 No.3, 178-180, 2011

出 典
Belch JJ, et al:
Results of the randomized, placebo-controlled clopidogrel and acetylsalicylic acid in bypass surgery for peripheral arterial disease (CASPAR) trial.
J Vasc Surg 52(4):825-833, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

 膝下バイパスの術後24ヵ月までの遠隔期までに,グラフト開存率,再血行再建率,足関節上部肢切断,死亡の項目について,ASA(acetylsalicylic acid)に加えてクロピドグレルの併用効果についてASA単独投与群を対照として前向き,無作為,二重盲検法にて多施設にて比較検討した.年齢が40~80歳の片側の膝下バイパス手術後,内服薬として①クロピドグレル+ASA(75~100mg/day)投与群,②プラセボ+ASA投与群に分けて6~24ヵ月の術後経過を観察した.評価項目はグラフト閉塞,再血行再建,膝上切断,死亡であった.安全性の評価項目は,GUSTO分類による重症出血発生率を用いた.851名がエントリーした.その結果,両群間に主要評価項目に関しては有意差は認められず,クロピドグレル併用の優位性は認められなかった.しかしながら,使用グラフト別のサブグループ解析を行うと,人工血管使用例においてクロピドグレル併用群が有意に良好な結果が示された.

背景

 抗血小板薬はPAD(Peripheral Arterial Disease)患者の心事故発生を予防する目的で投与されその有効性が示され,また,下肢バイパス術後のグラフト開存性にも有効であることが示されている.しかしながら,ASA単剤投与ではなお術後グラフト閉塞が発生するため,ワルファリン,チクロピジン,クロピドグレル等の薬物が試されてきた.不安定狭心症に対してASAに加えてクロピドグレル併用が心筋梗塞再発,死亡,脳卒中予防に有効であることが大規模臨床試験にて明らかにされている.このことを受けて,PAD患者の下肢バイパスグラフトの開存性に対しても有効であるとの仮説のもとでASAに加えてクロピドグレル併用する群とASA単独投与群とを比較し,クロピドグレル併用の有用性を検証した.

方法

 CASPAR(Clopidogrel and Acetylsalicylic acid in bypass Surgery for Peripheral Arterial disease)動脈硬化によるPAD病変に対して片側膝下バイパスを行った患者に対して,ASAにクロピドグレルを併用した群とASA単独投与群について前向き,無作為,二重盲検法にてその有効性,安全性について比較検討した.有効性を示す主要評価項目は,使用グラフト閉塞,再血行再建,足関節上での肢切断,死亡であり,安全性の評価項目はGUSTO分類による重症出血発生率を用いた.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る