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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

3.脳 c.脳梗塞の抗凝固療法 RE-LY 1.心房細動を有する患者に対するダビガトランのワルファリンとの非劣性比較試験

吉川容司矢坂正弘

血栓と循環 Vol.19 No.3, 149-151, 2011

出 典
Connolly SJ , et al. RE-LY Steering Committee and Investigators:
Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation.
N Engl J Med 361:1139-1151, 2009
and Erratum in:N Engl J Med 363:1877, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 心房細動を有する患者に対してこれまでワルファリンが使用されてきた.ワルファリンにより脳梗塞の発症リスクは軽減されるが,同時に脳出血の危険性が増加することが知られている.また,ビタミンK拮抗薬であるワルファリンは多くの食品や薬剤と相互作用を有し,定期的なモニタリングが必要である.このように管理が容易でないため,治療からの離脱者も多い.そこで,より効果的で安全で利便性の高い,新しい抗凝固薬が望まれてきた.ダビガトランは直接トロンビン阻害薬で,プロドラッグのダビガトランエテキシラートとして経口投与される.吸収後速やかに活性体ダビガトランに変換され,トロンビンを選択的かつ直接阻害することにより抗血栓作用を発揮する.
 半減期は約12時間,腎排泄率約80%,生物学的利用率6.5%で薬物相互作用が少なく,予測可能で安定した抗凝固作用を発揮するため定期的なモニタリングが不要である.本試験ではダビガトラン通常用量(150mg 1日2回)とダビガトラン低用量(110mg 1日2回)の効果と安全性がワルファリンと非劣勢比較試験として比較された.

対象

 2005年12月~2007年12月までに脳卒中・TIA・全身性塞栓症の既往,左室駆出率<40%,症候性心不全(NYHAⅡ度以上),75歳以上,65歳以上の糖尿病・冠動脈疾患・高血圧のいずれか1つ以上のリスクを有する非弁膜症性心房細動患者18,113例を対象とした.なお,重度の弁膜症,発症14日以内の脳卒中,スクリーニングの6ヵ月以内に起こした重症脳卒中,高い出血リスク,クレアチニンクリアランスが30mL/min未満,活動性肝障害,妊娠に該当する症例を除外とした.

方法

 心房細動症例18,113例が,ダビガトラン150mg×2/日群に6,076例,ダビガトラン110mg×2/日群に6,015例,ワルファリン群(INR 2.0-3.0)に6,022例に無作為割り付けされ,2年間(中央値)観察された.主要エンドポイントは脳卒中(出血性を含む),全身性塞栓症とした.安全性は大出血の発現頻度で評価された.なお,ダビガトラン群とワルファリン群はPROBE法(前向き,ランダム化,非盲検,盲検下エンドポイント評価:Prospective Randomized Open Blinded Endpoint)で,ダビガトランの両群間はDBT(二重盲検:Double Blind Test)法で比較された.

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