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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

3.脳 a.頸動脈・脳動脈硬化 FAST 2.急性脳出血に対する遺伝子組換え活性型第Ⅶ因子(Recombinant Activated Factor Ⅶ;eF Ⅶa)の効果と安全性

吉川容司岡田靖

血栓と循環 Vol.19 No.3, 123-124, 2011

出 典
Mayer SA, et al. FAST Trial Investigators:
Efficacy and safety of recombinant activated factor Ⅶ for acute intracerebral hemorrhage.
N Engl J Med 358(20):2127-2137, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 脳出血は脳卒中のなかで最も注意すべき病型であり,30日以内に約40%の患者が死亡する.生存した場合も大半は重篤な身体機能障害を呈する.また発症3時間以内に頭部CTを施行された患者の約70%に血腫の拡大を認め,血腫の拡大は死亡率と身体機能障害の独立因子である.脳出血にはこれまでのところ確立された治療法はないため,血腫の拡大を抑制することで死亡と身体機能障害を改善する可能性がある.rFⅦaは組織障害および血管壁破綻部に局所的に作用し,組織因子を結合させることで血小板を活性化するのに十分なトロンビンを産生する.薬理学的にrFⅦaは直接第Ⅹ因子を活性化させトロンビンを凝集させ凝固を亢進させる.前回の試験(Mayer SA, et al:N Engl J Med 352:777-785, 2005)で発症4時間以内の脳出血でrFⅦaは血腫の拡大を抑制し,90日後の生存率および機能的予後を改善することがわかった.本編で紹介する試験ではrFⅦaの20μg/kgと80μg/kgにおける効果を比較したものである.

対象

 2005年5月~2007年2月までに3時間以内に特発性脳出血と診断された18歳以上の841例を対象とした.なお,Glascow Coma Scale 5以下,24時間以内に血腫除去の手術予定,動脈瘤,動静脈奇形および外傷性などによる続発性脳出血,経口抗凝固薬の使用,血小板減少,凝固障害や急性敗血症,圧挫外傷,播種性血管内血液凝固症候群などの既往,妊娠,脳出血発症前のmodified Rankin Scale>2,発症30日前以内の症候性血栓症または,脈管閉塞性疾患は除外した.

方法

 脳卒中発症から4時間以内にプラゼボ群(268例),rFⅦa 20μg/kg投与群(276例)rFⅦa 80μg/kg投与群(297例)の3群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは転帰不良とし,発症90日後のmodified Rankin Scaleに基づく重度の身体障害および死亡とした.

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