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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

2.心臓 b.血栓溶解療法 4.クロピドグレル耐性と心血管病罹患のリスク―最新のメタ解析

下島正也川尻剛照林研至山岸正和

血栓と循環 Vol.19 No.3, 75-77, 2011

出 典
Sofi F, et al:
Clopidogrel non-responsiveness and risk of cardiovascular morbidity. An updated meta-analysis.
Thromb Haemost 103(4):841-848, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 冠動脈疾患患者に対してクロピドグレルを投与することにより,心血管イベント再発のリスクが減少することが多くの大規模臨床試験にて示されてきた.また,急性冠症候群(Acute coronary syndrome:ACS)において,経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)を施行された症例に対するアスピリンとクロピドグレルの併用療法が,アスピリン単独療法に比べて死亡率,心筋梗塞発症率,脳卒中発症率を有意に減少させることもよく知られた事実である.この際,これらの抗血小板薬に対する反応は個々に応じてさまざまであり,アスピリン,クロピドグレルともに,薬剤投与後の血小板反応性(Residual Platelet Reactivity:RPR)が心血管イベント再発のリスクと関係があると報告されてきた.Snoepらによると,クロピドグレル内服下,RPRが高値である患者群は,臨床的イベント再発が増加したという.そこで,本論文ではPCIを受けた冠動脈疾患患者におけるクロピドグレル耐性患者の臨床転帰に関する最新のメタ解析を行った.

対象

 PCI後にクロピドグレル内服が開始された症例を対象とした研究のうち,2009年1月までに発表された,クロピドグレル耐性と臨床イベント再発に関して検討した論文を,MEDLINE, EMBASE, Science Citation Index, Cochrane Central Redister of Controlled Trialsで検索した.検索後,以下の6項目を満たす14文献,4,564症例を解析の対象とした.①臨床転帰をクロピドグレル反応群と耐性群で比較した前向きコホート試験,②試験導入の契機となったイベント発症時にクロピドグレルが導入された試験,③クロピドグレルへの反応性を臨床転帰に至る前に分類された試験,④クロピドグレル反応性の定義が明確に記載されている試験,⑤臨床転帰の測定が両群で行われている,⑥相対リスク,ハザード比,オッズ比が95%信頼区間で評価された試験.

方法

 血小板機能の評価方法として,光透過型血小板凝集計,VeryfyNow P2Y12,VASPリン酸化試験を用いた.本メタ解析の評価項目は,すべての主要心血管イベント(致死的または非致死的心筋梗塞,脳卒中,不安定狭心症),心血管死,心虚血の再発,入院と,冠動脈造影検査を要する心筋虚血再発に合致する症状,ステント内血栓症とした.感度分析をローディングドーズのクロピドグレルの容量,フォローアップ期間,血小板機能の評価法,潜在的交絡因子の調整の4項目にて行った.

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