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血栓症に関するQ&A PART6

4.心臓 Q37 日本におけるステント血栓症の実態について教えてください

中川義久

血栓と循環 Vol.19 No.1, 129-130, 2011

Answer
バルーン拡張のみによる従来のPCIは,治療後6ヵ月以内に発生する新生内膜増殖による再狭窄のために,再度の治療が必要とされることも少なくなかった.BMS(Bare-metal stent)は再狭窄の頻度を50%から30%前後に低下させたが,なお20%前後の患者で再狭窄に対する再度の治療が必要とされ,一部の患者では再狭窄が難治性となり短期間に再治療を繰り返す事態もしばしばであった.その問題を解決するために薬物溶出性ステント(Drug-eluting stent:DES)が開発された.その再狭窄予防効果は強く,標的病変再血行再建を確実に減少させる.日本においては薬剤溶出性ステントであるシロリムス溶出性ステント(Sirolimus-eluting stent:SES)とパクリタキセル溶出性ステント(Paclitaxel-eluting stent:PES)が,2004年8月に承認され,日常臨床において使用されるようになった.ステント部に血栓が生じ急激閉塞に至ることをステント血栓症という.DESは再狭窄を強く抑制するものの,これが血管内皮の修復反応の遅延を来し血栓性閉塞の可能性が高い時期が長期間にわたって続くことが問題とされている.本稿では日本人におけるDES後のステント血栓症の現状を紹介し,質問への返答とする.

 本稿では,ステント血栓症についてARC(Academic Research Consortium)の定義に従った(表1).

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