特集 睡眠時無呼吸症候群:基礎から臨床
全身疾患としての睡眠障害:機序と臨床
6.免疫異常
THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 49-52, 2020
睡眠が心身に及ぼす影響は大きく,睡眠障害は様々な心身の機能低下(耐糖能低下,コルチゾル低下,交感神経系優位,免疫能低下等)を引き起こし,老化と類似した現象が見られる.睡眠と免疫システムとは相互に関連しており,免疫システムの賦活化は睡眠を変化させ,睡眠は自然免疫と獲得免疫のその両方に影響を与える.睡眠量の減少のみならず,その質自体の低下も,感冒やインフルエンザの発症しやすさに影響を及ぼすことが分かってきている.一方で,免疫異常(特に自己免疫機序)が引き起こす睡眠障害も報告されており,本稿ではそれらも合わせて概説する.
「KEY WORDS」サイトカイン,感冒,自己免疫,自己抗体,断眠
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。